たまりば

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2014年06月09日

正義の味方、グリーン・マン

グリーンマン

佐藤高大(たかお)は、姉の美鈴(みすず)とTVで実写版の戦隊モノを観ていた。
「へー、いまだにこんなの流行ってんだ。古くさい」
中学2年生の美鈴には、特撮モノが偽物くさくて、バカバカしく感じられる。
しかし小学1年生の高大は、夢中になって観ている。

正義の味方、グリーン・マンが、敵のファイヤー・モンスターに、トレードマークの緑のマントに火をつけられる。
「わぁ! マントが・・・!」
そう叫ぶ高大を横目に、美鈴も番組を見ていると、世紀のヒーローのグリーン・マンは自らの特技、ジェット・ブレスなるもので、その火を吹き消し、事なきをえる。
思わず声を立てて笑ってしまう美鈴。
しかし、高大は、真顔で美鈴に言った。
「僕、グリーン・マンになる!」

くわえ煙草で、夕ご飯の準備をしていた母の和美はキッチンで爆笑する。
「バカ言ってんじゃないよ。グリーン・マンになる前に、早く社会人になって、シングルマザーを楽にさせてくれるほうが先だろ」
和美は、出来たてのオムライスを、美鈴と高大に差し出しながらそう言った。
二人はうれしそうにケチャップで、それぞれの好きな絵を描く。
美鈴はチューリップ、高大は、かろうじてグリーン・マンに見える人物像。
「高大、ケチャップ使い過ぎ!」
母親のダメだしに、高大は、へへっと笑った。


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    Posted by ひろ  at 11:23 │Comments(0)日記

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